公開日:2026年10月15日/運営:POI Consulting & Services W.L.L./税制・料金の数値は本文記載の時点のものです。
ドバイとカタール、法人設立するならどっち?
税金・費用・市場を比較

中東での法人設立を考えるとき、多くの方が最初に検討するのはドバイです。日本語の設立業者が多く、情報も豊富です。一方で、カタールには税制と市場の面でドバイにない条件があります。この記事では、両国を同じ項目で並べ、ドバイが有利な点も含めて整理します。
法人税:ドバイ9%、カタール10%(51%出資で実質4.9%)
UAEは2023年に法人税を導入し、利益 AED 37.5万を超える部分に9%がかかります。年商 AED 300万以下の小規模事業には0%の特例があり、2029年末まで延長されています。カタールの法人税は10%ですが、課税されるのは外国人が持つ持分の利益だけです。カタール人のパートナーが51%を持つメインランド法人なら、課税対象は利益の49%分で、実質4.9%になります。その代わり、会社の51%と、それに見合う利益の分配・議決権はパートナーのものになります。
VAT:ドバイ5%、カタールは未導入
UAEは2018年からVAT 5%を課しています。カタールはGCCのVAT枠組みに参加していますが、2026年10月時点で導入していません。売上にかかる税がない点は、カタールで店舗やサービス業を営む場合の違いになります。
個人所得税と配当:どちらもなし
給与にかかる個人所得税は、ドバイもカタールもありません。配当の源泉税もありません。ただし、日本に住んだまま受け取る給与・配当は日本で課税されます。移住する場合も、日本の非居住者になる条件と出国税の確認が必要です。
年間維持費:ドバイは更新と監査、カタールは更新と居住許可
ドバイのライセンス更新は AED 1.4万〜2.5万、監査は AED 1万〜1.5万が目安です。日本人向け設立業者の年額は 43,800 AED(約180万円)に月額の会計サポートを加えて年約300万円という例があります。カタールでPOIが受ける場合は、年額 QAR 48,000(更新・登記住所・居住許可)に月額 QAR 2,400〜の会計を加えて年約280万円です。金額はほぼ同じ水準で、違いは中身にあります。閉鎖時の費用は、ドバイの業者で約130万円、POIで QAR 22,500〜(約92万円)です。
不動産での居住:ドバイ AED 200万、カタール QAR 73万
ドバイのゴールデンビザは AED 200万(約USD 54万)以上の不動産が条件です。カタールでは指定地域で QAR 73万(約USD 20万)以上の不動産購入で更新型の居住許可が取れ、QAR 365万以上で永住権相当の扱いがあります。居住の入口はカタールのほうが低く設定されています。
市場の大きさ:ドバイが大きく、カタールは一人あたりが厚い
2024年のUAE全体の人口は約1,099万人、カタールは約286万人です。市場の大きさはUAEが上回ります。一方、一人あたりGDPはカタール 75,685米ドル、UAE 50,274米ドル(世界銀行、2024年)で、カタールは顧客を絞った事業に向く市場です。日本人向けの店舗・サービスでは、ドバイは競合が多く、カタールはまだ少ないという違いもあります。
銀行の信用力:どちらも Fitch A+
代表的な銀行を同じ格付会社で比べると、カタールのQNBとドバイのEmirates NBDはともにFitchの長期格付けA+です。銀行の信用力に大きな差はありません。口座開設の審査は別で、事業説明の資料と面談が必要になる点は両国共通です。
安全情報:どちらも外務省の危険情報レベル2
2026年10月13日時点で、カタール全土とUAE全土は外務省の危険情報レベル2(不要不急の渡航中止)です。日常の治安とは別に、中東情勢による航空便の欠航や空域閉鎖への備えが呼びかけられています。渡航・視察の時期は、最新の情報を見て判断してください。
ドバイが有利な点
正直に挙げると、小規模で税率だけを見るなら、年商 AED 300万以下の0%特例があるドバイです。市場の大きさ、日本語の情報量、設立業者の選択肢の多さもドバイが上です。フリーゾーンの種類が多く、業種に合う拠点を選びやすい点もあります。
カタールが有利な点
VATがないこと、51%出資で実質4.9%になる法人税、QAR 73万からの不動産居住許可、QFZの最長20年免税、そして日本人の競合が少ないことです。湾岸の富裕層・駐在員向けに店舗やサービスを出す場合は、先行者として位置を取りやすい市場です。
判断のしかた
売上がどの国で立つか、現地で何を行うか、移住するかどうか、必要な銀行機能は何か。この4点を整理すると、どちらの国が合うかはほぼ決まります。POIはカタールでの設立と運営を支援していますが、条件によってはドバイが合うとお伝えすることもあります。
本記事は一般的な説明です。個別の税務判断は提携税理士が行います。制度・手数料は改定されることがあります。
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